こんにちは、このブログの運営者シロです。
ようやく日本でも英語が小学校での正式な教科となることが決まりましたが、その年齢のお子さんをもつ父母の方々のなかには、「家庭でも何かの教材で英語の勉強をさせるべきか」、「英会話教室やオンライン英会話でも習わせるか」、「家庭で教えるにしても、自分のほうが英語に自信がない」などの悩みや不安を抱えている人も多いのではないでしょうか。
しかし、そもそもなぜ子供の英語教育が今、これほどまでに注目をあつめているのでしょうか?日本で普通に生活している限り、英語を使わなければならない場面などほとんどないというのに。子供が英語を習得することで、将来どのようなメリットが生まれるのでしょう?
この記事では、今なぜ子供の英語教育が注目されているのか、子供が英語を学習することで、何が将来変わるのかについて考えていきたいと思います。
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今なぜ子供の英語教育が注目されているのか?
日本では、英語が小学校の教科として組み入れられたことで、子供の英語教育がちょっとしたブームになっています。また、これに合わせて英語産業においても、この英語ブームに乗るべく英語教材やスマホアプリ、キッズ英会話スクールや子供専門オンライン英会話など多くのサービスや商品が日々市場に送り出されています。
「早期英語教育」、「バイリンガル教育」、「臨界期仮説」など子供の英語教育にまつわる話題は絶えませんが、子供を持つ親からしたら何を信じてよいのやら、判断に迷ってしまうことでしょう。
いっぽうで、世界では早くから国民の英語力向上を国策として掲げて推し進めてきた国が数多くあります。とくに有名なのが、ヨーロッパでは北欧3国やオランダであり、アジアではフィリピンが挙げられます。
これらの国は歴史的背景や国の事情もあって、子供の英語教育に力を入れてきたわけですが、結果として、オランダはEF英語能力指数で世界第一位、国民の90%以上がバイリンガル、人口1700万人の小国ながら、農産物輸出ではアメリカに次ぎ世界第二位であり、世界17位の経済規模を誇っています。
フィリピンは今や英語対応のコールセンターの規模が世界一位となり、100万人以上の雇用を生みだしています。アメリカで企業のカスタマーサービスへ電話をかけると、じつはフィリピンへつながってフィリピン人が英語で応対しているなんてことになります。フィリピンの英語人口は世界4位、英語能力指数はアジア2位です。
子供の英語教育に力を注いできた国では、その国策が国の経済を押し上げてくれていることは間違いないようです。だからと言って、日本がこれらの国と同じような将来の道筋を想定しているわけではないでしょうが、個人のレベルで考えても英語を話せることは、得をすることはあっても損をすることはないはずです。この先も世界のグローバル化は進むでしょう(経済は別としても)。英語ができれば就職にしても、ビジネス、人間関係にしても機会をおおきく拡大してくれることに間違いありません。
そういった意味で、世界的にも子供のうちから英語教育を受けさせることに注目が集まっています。もちろん、世間では賛否両論が語られていますが、僕個人の経験から言えば、子供の英語教育は大いに価値あるものだと考えています。日本のこれまでの文法や単語暗記を中心とした教科書英語が全く無駄とは言いませんが、「もっと実践的な英語教育だったら」と思う人は僕だけではないでしょう。
学校の教科としての英語だけに頼ることなく、親としてできることがあるのなら、子供に実践的な英語を学ぶ機会をつくってあげることも大切なのではないでしょうか。
英語教育で将来、子供たちが受けられるメリット
低年齢から英語教育を受けることで、将来、子供たちはどんな恩恵を受けることができるのでしょうか。かなり先を見据えた話になりますが、それは大学の受験を有利にしたり、履歴書の内容を充実させて就職先を見つけやすくするだけではありません。
①異なる文化や習慣、価値観に触れて共感性が高まる
子供たちが実践的な英語を学ぶことで、日本とは異なる社会の習慣や価値観に触れることになります。これは、ものごとを新たな視点で考える力を促し、文化的な感受性を高めてくれるでしょう。感受性が高い発育の重要な時期に他の文化に触れることで、世界の多様性を理解したり、違いを受け入れる人間性を育んでくれることが期待できます。
②自分の情報源が飛躍的に多くなる
毎日、世界で発信される情報のなかで、日本語の情報源は極めて限られたものです。日本語だけを話しながら日本に暮らしていると、このギャップはなかなか感じることがありません。しかし、これは事実です。
一億数千万人の日本語の情報量と17億人の英語の情報量の違いは歴然としています。子供の英語教育がめでたく成功すれば、お子さんは世界共通語ともいわれる英語話者となり、英語で発信される莫大な情報を利用することができるようになります。
会社経営者になるなら、重要な経営判断のためのマーケット情報がそこにあるかも知れませんし、科学者なら世界で発信される論文を調べる必要があるでしょう。インターネットで世界とつながる現代の社会では英語が話せることは、ビジネスや専門職、暮らしのなかでの情報収集においても力強い味方になってくれるでしょう。
僕個人の話ですが、以前に趣味のガーデニングでパッションフルーツの育て方について、ネットで探したことがあります。まずはじめに日本語で探してみたのですが、わずかな情報しかなくて知りたい情報を見つけることはできませんでした。つぎに英語で探したのですが、日本語よりは情報が多かったものの、やはり知りたい情報は見つかりませんでした。
そして、つぎはスペイン語で探しました。スペイン語圏の生産地が多いこともあり、かなりの情報量がありましたが、ついでにポルトガル語で探したところ、やっと知りたい情報に出会うことができました。ポルトガル語を話すブラジルはパッションフルーツの原産地なので、やはり情報量がいちばん多かったのです。
メディアの偏向報道や世論操作が問題視されている昨今、日本語の情報だけでは知らぬ間に偏った情報だけを取り入れているという事態にもなりかねません。それでは人生の岐路に立った時、正しい判断ができるかどうか心配です。
③英語を学ぶことで世界観が広がる
ひとつの言語を話せるようになるということのは、その言語での情報を手に入れられるのと同時に、その文化へのアクセス権を得るのと同じことです。日本語を覚えた外国人は日本の文化をより深く知ることのできるアクセス権を得たわけです。日本のアニメや漫画を原語である日本語で見れば、より深く体験することができるはずです。
これと同じことが英語にも言えますが、世界の標準語とも言われる英語の場合には、ひとつの国の文化どころではなく、世界50カ国の文化に触れるアクセス権を得ることになるのです。ずいぶんとお得感がありますね。英語を通じて他国の文化に触れることは、世界観を大きく変えてくれます。
④人生の選択肢を広げられる
英語が話せることで人生における選択肢が広がることは間違いありません。海外の大学で学位を取るという選択もできますし、就職先は国内外資系企業のみならず、他国でのポジションを見つけるための機会も増やすことができます。
子どもの頃から英語教育を受けることで、他の文化を知り、国際的な考え方を身につけることは、交渉やチームワークのためのコミュにケーション能力が強化され、雇用者の評価も受けやすくなります。エンジニアであれば、国際的なチームを組んでプロジェクトを進めることもできるでしょう。
⑤複数言語が話せると認知症の発症を遅らせられる
いまだ研究段階ではあるものの、複数の言語を話す人は、認知症の発症を遅らせることができると言われています。複数言語を話すためには、脳は異なる受容体を使って情報を処理するために、全く新しいプロセスを探す必要があり、そのことが脳の機能の保護に役立つと言われています。慣れ親しんだ母語だけでなく、複数言語を話すことでつねに脳へ刺激を与え続けることができるわけです。とはいっても、これはお子さんのまだまだ遠い将来の話になりますが。
出典:American Academy of Neurology : Speaking a second language may delay different dmentias
子供の英語教育で親たちが家庭でできること
私たちが親としてできることは、自ら選択できない幼い子供たちに将来の選択肢を残してあげることではないでしょうか。バイリンガル、トライリンガルになるかどうかは将来の子供たちの選択だとしても、その選択の可能性を残してあげることができるのは親たちです。その意味で早期英語教育は有益だと僕は考えます。
僕は自分の子供には3歳から6歳まで早期英語教育を受けさせましたが、その後、彼が英語を学んだのは学校の英語教科のみでした。16歳頃から自分で英語に関心をもつようになり、映画やドラマは字幕なしで見るようになり、趣味の情報もオンラインゲームも英語、次第に海外に友達が増えて、大学では英語教科の免除試験を一発満点合格し、卒論も英語で書き終えました。
僕がやってあげたことと言えば、子どもの頃の早期英語教育として、ネイティブの友人のキッズ英語に3年間通わせたこと、英語の絵本を時々読み聞かせたこと、英語話者の外国人が集まる集会にはいつも付き添わせたことぐらいです。そして僕の子は学校の成績のためではなく、受験のためでもなく、自分の楽しみのため、関心のあることのために、英語をツールとして使い、自らの意思で自然に英語を吸収していきました。
すべての子供にこのケースが当てはまるとは限りませんが、子供の英語教育の重要なカギとなるのは、「決して強要しないこと」「英語の学習が辛いものだという印象を植えつけないこと」「楽しんで英語に触れさせること」であることは間違いはないでしょう。
成績のための子供の英語教育でなく実践のための英語
英語は人の能力を判断するための物差しではなく、可能性を広げてくれるツールです。子供の英語教育が最初から学校の成績を上げることを目標としているようでは、長続きはしないかもしれません。
もっと視野を広げて、子供の将来の可能性を広げてあげることに重点をおいて、勉強方法を選択するべきでしょう。楽しんで英語を学ぶことができれば、学校の成績は補完勉強をすることであとからついてきます。英語は辛いもの、努力しなければならないものと思わせたら、親としては失敗です。子供の英語教育では遊びや会話を中心とした実践的な学び方が効果を生みます。文法や語彙はいくらでもあとから付け足すことができますが、英語の学習を苦痛や義務と感じさせては、その先の上達は難しくなります。
まとめ:実践的な英語教育は子供の未来を広げてくれる
世界でグローバル化が進んでいるとはいえ、これからも日本では英語が話せなくても不自由なく暮らしてゆくことはできるでしょう。しかし、それを選ぶかどうかは子供たちであり、親の私たちではありません。だとすれば、英語を活かしてグローバルに生きるという選択肢を子供に残してあげるのは親として当然のことと僕には思えます。語学を学ぶことは、お子さんの出世に大きく貢献することは周知の事実ですが、それは結果であって目的ではありません。世界の異なる文化や習慣に理解を示し、協調性や広い視野をもった人間に自分の子が育ってもらうことは、親なら誰でも望んでいることではないでしょうか。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
[参考]
EF: 6 reasons why language learning is important for children
子供の英語教育についての記事にはこんなのもあります。よかったらどうぞ。
≫ 幼児の英語教育に必要性はある?【実感】早期英語教育で息子はこうなった!
≫ 日本でバイリンガル子育て|誰でも家庭でできる方法【キッズ編】
≫ 【無料教材】フォニックスの子供への教え方|家庭でできる英語のフォニックス