「これからは英語が話せると仕事でも大きなメリットになるって聞いた。うちは妻も私も日本人だけど、できれば子供はバイリンガルになってくれるように子育てしていきたい。でもどうやって?」
「夫はアメリカ人で日本語は少しだけ。いつも仕事が忙しくて、あまり家にいないせいか、子供がなかなか英語を覚えてくれない。このままでは将来、夫と子供のコミュニケーションが難しくなるのではと心配。家庭でできるバイリンガルの子育て方法ってないの?」
最近では日本国内でバイリンガル子育てを考えている方も多いようですね。国際結婚にしても夫婦共に日本人にしても、子供をバイリンガルに育てる方法は情報が錯綜していて迷ってしまいます。
この記事では自身の子がトライリンガルに育った僕シロが、「誰でも家庭でできるバイリンガル子育て方法【キッズ編】」ということでご紹介していきます。
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できる限りお金をかけない方法です。ぜひご一読ください。
バイリンガル子育てのために家庭でできること【0歳~小学高学年】
世界のグローバル化はこの先も進んでいくことは誰も否定できないでしょう。そのグローバル化のなかで国際標準語とされている英語を使えることは、仕事でもプライベートでも多くの機会を生みだしてくれるはずです。経済発展のために国民をバイリンガル教育することが国策となっている国も数多くあります。
また、親として子供の将来の可能性をできるだけ広げておいてあげたいと思うのは当然のことです。しかし、この方面ではノロノロ運転を続ける日本では、国のサポートは期待できません。長期休みごとの海外こども留学や国内でインターナショナルスクールに通わせるという手もありますが、高額な費用がかかりますし、地方ではそもそも近くにスクールがない場合もあります。
ということで、まずは家庭であまり予算をかけずにできることから始めるというスタンスで、バイリンガルの子育て方法をご紹介していきます。
①母親・父親教室で外国人を探して友達になる
まだお子さんがいないという夫婦なら、生まれる前から準備を始めましょう。低コストでのバイリンガル教育のチャレンジですから、まず親の努力なくして成功はありません。
妊娠後期になると、母親教室や父親教室などのプログラムが自治体や保健所などでありますので、積極的に参加します。そこで外国人を見かけたら、迷わず声をかけて友達作りです。地域のプログラムですので、近くに住んでいるはずですし、うまく友達になれたら、子供が生まれてからは子育ての話題を成長に合わせて共有できますし、そこから近隣に住む外国人の友達の輪が広げられる可能性もあります。
僕の場合は、この方法(父親教室)で数人の外国人の友達ができて、そのうちに友達の紹介でまた友達ができ、あっという間に近隣に住む何十人もの外国人と友達になることができました。子供が生まれたら定期検診や予防接種、幼稚園と経験を共有できる付き合いはずっと続きます。
お互いに誕生会に招待したり、休日に外国人の数家族でバーベキューやお泊りキャンピングなど交流を深めれば、英語が飛び交う環境に没入させられます。子供にとって、生活の中で普通に生きた英語が聞けるようにしてあげることで、英語が友達とコミュニケーションするためのリアルなツールなのだということが理解してもらえます。
まずは両親の努力が不可欠です(それも生まれる前から)。恥ずかしいなんて言っていられませんョ。子供と一緒にこれから英語を習得するつもりで頑張ってください。
②絵本、CD、DVD、YouTubeなどで英語の環境をつくる
家庭の中でも英語の環境を作ってあげましょう。英語で書かれた幼児用の絵本や音楽CD、DVD、YouTubeの動画などを流して英語の環境を作ってあげます。絵本はできるだけ毎日読み聞かせてあげてください。英語は苦手なんて言っていられませんよ。発音はそんなに気にしなくても大丈夫です。子供はしっかりと日本人の英語として理解してくれますし、これについての対策はこのあとでご紹介します。もちろん、日本語でのコミュニケーションも大切ですのでお忘れなく。
③英語の教材で遊びのように学ばせる
一歳までは親やその他のリアルの人間とのコミュニケーションがとても大切な時期ですが、一歳を過ぎて子供が発語するようになったら、教材が使えるようになります。英語の教材で一緒に遊びながら、家庭でも英語に触れさせましょう。大切なのは、子供に勉強と思わせないこと。楽しみながらが基本です。
海外のサイトなら優良な教材が無料で利用できます。こちらの記事でご紹介していますので、よかったらどうぞ。
④子供向けオンライン英会話で親の英語力不足を補完する
夫婦とも日本人であったり、片親が英語話者だけど仕事が忙しくて、子供と英語で話す機会が少ないといった場合には、やはり生の英語を聞かせたり、会話の時間をつくるために、キッズ英会話などのサービスを利用する必要があるでしょう。
子供英会話教室に通わせるという手もありますが、通学の手間と待ち時間があり、親の仕事や家事に負担がかかります。また、料金も高めですね。3歳以上のお子さんなら、僕のおすすめは子供向けのオンライン英会話です。このサービスなら通学の手間もかからずに、家事をしながらレッスンを見守ってあげることもできます。
なかでも、おうち英会話の「GLOBAL CROWN」はネイティブレベルのバイリンガル講師(主にバイリンガルのお姉さんたち)のレッスンが受けられて、キッズ専用なので子供の扱いにも慣れていて安心です。週1回から5回まで予算に合わせてコースが選べます。今なら無料体験レッスンが受けられますので、お子さんに合うかどうか、まずは試してみるのもアリですね。
⑤県や市、自治体にある国際交流の集いに参加する
自治体などでは地域に在住している外国人との交流を図るための会や集いを定期的に企画していることがあります。ぜひお近くの自治体に問い合わせてみてください。そういった集いに積極的に子供と参加することで、外国人と交わる機会を増やして、おうち英会話を実践する場をつくってあげましょう。
僕は地元の国際交流会で外国人がダンスを教えるグループに夫婦で入って友達を増やしました。ダンスのレッスンの間は、子供同士で遊びながら英会話を実践していました。
⑥外国人の集まるサークルに参加する
日本人には知られていなくても、日本在住の外国人がつくるサークルは結構あるものです。これまでにできた外国人の友達から誘われることがあるかも知れません。そんなときは、迷わず参加しましょう。そういったサークルでは英語ネイティブに限らず、世界のさまざまな国からの外国人が集まり、国際色豊かです。
サークルの集まりでは、当然ながら世界標準語として英語でコミュニケーションがとられますので、いろいろな国の人の英語を聞くことができるのも、子供にとっては刺激となります。僕はそういったサークルで一品持ち寄りパーティーなどによく家族で参加していました。世界の国の料理が一度に味わえて、子供にもさまざまな文化に触れる機会となりました。
⑦家庭での誕生会や食事に外国人を招待する
国際交流の会や個別の外国人サークルなどで友達ができれば、家族単位での付き合いも始まります。子供の誕生会に招待したりされたり、週末には自宅に食事に招くのも良いでしょう。そういったときには、できるだけ英語の音楽をかけたり、英語の子供番組やボードゲームなどを出して、子供同士で英語を話す環境をつくってあげます。
⑧日本にいながら周りに英語の環境をつくってあげる
ここまでご紹介したアクティビティを真面目に実行すれば、数年のうちに相当数の外国人の友達ができていることでしょう。友達の輪は次第に広がりますので、子供の成長と共に英語を話す機会はどんどん増えていくはずです。
国内でお金をあまりかけずにバイリンガルに育てるためには、親がどれだけ英語の環境を作ってあげられるかにかかっています。うちの場合は、週に2~3回はご紹介してきた外国人家族とのアクティビティがあり、その他に週3回のキッズ英会話のレッスンを受けさせていました。
もちろん、早くからインターナショナルスクールに通わせるという手もありますが、学費が高いですし、スクールによってピンキリです。居住地域によっては近くにスクールがないかもしれませんし、通わせたからと言って、それだけでバイリンガルに育つという保証はありません。
バイリンガルの子育てをしても子供は楽にコミュニケーションできる言語で話す
バイリンガルの子育てをしていても、子供というのは楽にコミュニケーションできる言葉を選んで話すものです。日本にいたら、バイリンガルの子供たちが集まって遊びだすと、いつの間にかみんな日本語になっていたりします。そういったときには、大人がひとり入って英語で何かの遊びを始めれば、子供たちもまた英語に戻ったりします。
国内でバイリンガルに育てるためには、どうしても日本語という強い環境に影響を受けますので、英語の時間をしっかりと作ってあげることが大切になります。年齢が上がって幼稚園や小学校に通うようになると、日本語環境はさらに強くなってきますので、できる限り英語の環境を親がつくってあげるようにしましょう。
また、子供たちは誰がどの言語が得意なのかをしっかり見極めることができます。グループでは英語を話していても、僕のそばにきたら、小さな声で日本語で話しかけてきたりします。その逆に、日本語のできないネイティブの外国人には英語で話しかけます。ですから英語の発音が良くないからと、子供に英語で話しかけるのを躊躇する必要はありません。ちゃんと子供は聞き分けています。
バイリンガル子育てとダブルリミテッド(セミリンガル)
ダブルリミテッド(またはセミリンガル)という言葉がありますが、これは二つの言語のどちらも複雑な思考を構築できるほどに言語発達しない場合に起こるものとされています。基礎教育の途中段階で言語の異なる国を渡り住んだときなどに起こるようですが、そういった環境で誰にでも起こるわけではありません(聴覚障害が関係している場合もあります)。
日本国内でバイリンガル子育てをする場合には、まず母語としての日本語を覚えることになり、インターナショナルスクールにでも通わない限り、教育も日本語で受けることになりますので、ダブルリミテッドになる心配はまずないでしょう。
たしかに、何をもってバイリンガルとするのか、その定義ははっきりとしてはいません。二か国語をネイティブのレベルで同じように操れるようになるには、おそらく二十年以上はかかるでしょう。もちろん、それは本人の努力次第です。そのために親ができるのは、言語の基礎固めをしてあげることではないでしょうか。バイリンガルになるためのプロセスは非常に長く、親の努力(子どもは楽しみながらが基本です)と継続が必要です。
まとめ:まずは居住地の言語が第一、バイリンガルの子育てに過度にこだわらない
ここまで、誰でも家庭でできるバイリンガル子育て方法【キッズ編】ということで、ご紹介してきました。
バイリンガルは欧米では珍しいことではありません。ほとんどの人がバイリンガルであったりする国や地域さえ存在します。これには地政学的な影響が大きいと言われています。
単一民族、単一言語の日本において、子供をバイリンガルに育てることは、たしかに簡単なことではありません。親ができるのは、そのための環境づくりと継続したサポートです。また、たとえ子供が完璧なバイリンガルにならなかったとしても、それを悲しむべきではありません。シッカリとした母語をもっていれば、その後は本人の意志さえあれば、自己の努力で第二言語や第三言語さえ習得することができるからです。
そもそも、母語を含めて言語は生涯かけて覚えていくものです。僕などはいまだに日本語さえ、ときおり辞書を引かなければならない始末です。長い目で見ることと、そしてもっとも大切なのは継続です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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